JIJA日本公認会計士協会準会員会は、北海道、東北、東京、東海、近畿、中国、四国、北部九州と全国に分会があります。

インタビュー

原田 秀一氏

2011年7月15日

経歴:99年公認会計士試験二次試験合格後、中央青山監査法人にてトランザクションサービス業務に従事。その後大和証券SMBC(東京、ロンドン)を経て、2004年メリルリンチ日本証券に入社、現在に至る。

これからのキャリアを考える ~私の10年後~

メリルリンチ日本証券株式会社 ディレクター 原田 秀一氏

■現在の具体的な業務内容は?

私の所属している投資銀行部門では、企業を相手にIPOの主幹事、増資、社債の引き受け、M&A等の投資銀行業務を行っており、その中で私はプライベート・エクイティ・ファンドをクライアントにして、MBOの提案や、M&Aアドバイザリー、レバレッジ・ファイナンスの提供などを担当しています。

投資銀行は、企業が行う重要な投資案件や資本政策に関わることになるので、M&A以外にも債券やエクイティといった資本市場の知識が要求されます。

■会計士の知識はどの程度使っていますか?

現在でも、会計士の基本的な知識は非常に役立っています。ファイナンスは財務諸表やキャッシュフローから始まりますし、基礎は同じなので、数字が分かるというのは強みになっています。M&Aや資金調達ストラクチャーを検討する際にも会計や税務の知識が非常に役に立っています。

■なぜ現在の仕事を選んだのでしょうか?

大学卒業後、父が経営する会社の関係でゼネコンで働いていたのですが、バブル崩壊で自立が必要で(笑)。どうぜなら社会にインパクトを与えられる仕事をやってみたいと思って、そのエントリーチケットになると考え、会計士を目指しました。その頃は経営戦略コンサルタントが面白そうだなと思っていましたが、会計士試験で財務論の勉強中に「限られた社会資源を有効活用するためにM&Aは有効」と学び、既存のしがらみに捉われずに日本の会社を良くするのにM&Aってかなり有効なのではないかと思い投資銀行を目指しました。

監査人としてやっていく気は当初から無かったので、資格よりキャリアを進めることを優先させて、3次試験合格まで待たずに転職しました。

■準会員時代に何をやっておけばよいとお考えですか?

若い人にはチャレンジしてもらいたいと思います。あんな大変な2次試験を突破したのですから会計のバックボーンとガッツはあると思うので、リスクをとってチャレンジして、自己実現してもらいたいと思います。自分が何をやりたいのかって難しいと思いますが、準会員の間にそれをじっくり考えて、自分の一番好きなことをやるのが良いと思います。たとえそれが失敗しても、自分で選んだ好きなことだからしょうがないと納得できると思いますし、やり直しも可能だと思いますので。

■現在の仕事の好きなところ、やりがいを感じるところは?

会社のトップマネジメントに自分の考えを提案して、こんなにメリットがあるのですよという話をして、それが動きだして、世の中を動かす刺激を与えている、変わっていこうとする人をサポートできることにやりがいを感じます。プロジェクトはチームで行うので、成功をチームで分かちあえるのも醍醐味です。

監査って、残念ながら感謝されにくい仕事ですよね。私自身、財務諸表が監査済みか否かは気にしますし、一般投資家やアナリストも監査済みの財務諸表をベースに投資判断をしています。でも、会社の経理の人が監査人に心底感謝してくれるかというと、難しいですよね。監査は、社会の仕組みとして資本市場の中で非常に役に立っていて、意味があると思うのですが、サービスを享受している人からから監査人は遠くて、役立っている実感がわきにくいのは残念なことだと思います。

■現在の仕事の難しいと感じるところは?

パフォーマンスに対する評価は厳しいです。一定のポジション以上になると稼げないと業界で生き残っていけません。我々は常にどういう機会があるのか考えて、差別化した良い提案をしなくては存在価値がありません。

最初はそういうプレッシャーは辛いかもしれませんが、人間慣れますから。逆に刺激、プレッシャーがあってこそ、人間ってフルで頑張れると思うので、私は良い意味で受け止めています。プレッシャーがある分、達成感ややりがいも大きいですから。

若いうちは体力的にも相当きついかもしれません。でも若いんですから。忙しいとその分自分のキャリアは成長していくわけですし、忙しいのはむしろ良いことだと思います。

■現在の仕事に向いていると思う人はどのような人でしょうか?

チャレンジが好きな人は向いていると思います。我々の仕事は、世の中が動いて、取引が実行されてはじめてお金が頂けるビジネスですから、何もアクションをとらないと何にも関与できません。大胆に物事を変える方向で考えることができる人、積極的に、プロアクティブに提案できる人が向いていると思います。

■新人時代に心がけていたこと、習慣としていたことは?

積極的に分からないことは質問していましたね。人に聞くのが一番早いじゃないですか。

もちろん、出来るだけ自分なりに考えて、分からなければ本を読んで勉強しました。分からないことは曖昧にせずに全部つめていました。この仕事をやりたいという思い、自分の目標に向かっていく思いがあったので、まったく苦ではなく、成長している気がして楽しかったですね。誰でも自分のやりたいこと、好きなことって努力できるじゃないですか。

■会計士に求められるものは何だとお考えですか?

会計士は職業柄、世間から堅くて商売っ気がなさそうというイメージを持たれているかもしれませんので、前向きでビジネスマインドのある会計士が増えると面白いなと思っています。先生先生せず、明るく自分に自信があって、個人の魅力で仕事をとってくるというような。そのためにも会計士としての基礎知識+αが必要だと思います。それは英語や中国語でもよいと思いますし、特定の専門分野での知識でも、実業界でのビジネス経験でも良いと思います。ビジネスマインドのある会計士が増えるのは日本経済にもよい効果があるのではないでしょうか。

原田秀一:1999年公認会計士試験二次試験合格後、中央青山監査法人にてトランザクションサービス業務に従事。その後大和証券SMBC(東京、ロンドン)を経て、2004年メリルリンチ日本証券に入社、現在に至る。

(文責:藤井 雄介)

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