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インタビュー

唐沢 鉄夫 氏

2009年1月1日

「シニアからの会計士挑戦!!」

今回のFace to Face は昨年2008年公認会計士試験・論文式試験に合格した唐沢鉄夫さん。近年合格者の平均年齢が25・27歳である中、58歳(願書提出時点)での合格を果たされた。知力、体力ともに必要な試験であることは皆さんご承知のとおりだと思います。試験に対する動機など現在受験勉強中の方にも参考となるはず。
これからの会計士像にも触れながらお話を伺ってきました。コンサルティング会社での豊富な経験を持った会計士!!
これを読んで今の自分を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

唐沢 鉄夫

生年月日  1950年2月7日
合格年次  2008年
勤務先   個人事務所
出身大学  京都大学 理学部
座右の銘  My pace and Your peace

(My paceでやって他人に迷惑をかけない、他人の平和を乱さない)

Q 多彩な経歴、資格を持っていて、ご自身でも独立してコンサルタントをなさっていると伺いましたが、会計士試験受験のきっかけをお聞かせください。

A 私の経歴からお話しますと、大学卒業後コンピュータメーカでシステム・エンジニアをやっていましたが、当時、SE/プログラマ30歳定年説というものがあり、将来性に不安を感じました。そこで、もっと経営に関わる仕事をしたいと思い、30代半ばで会計事務所系のコンサルティング会社に転職しました。以来20年以上経営改善やシステム改善のコンサルティングに携わってきました。その中で経営にとっての会計の重要性を痛感するようになりました。いつか今まで蓄積してきた知識や経験を体系的に整理したいと考えていましたが、会計士試験制度の変更で試験が身近なものになったこともあり、会計士試験にチャレンジしました。
また、私のように独立して仕事をする場合には特に、資格がスキルの保証ひいてはクライアントからの信用の第一歩となるとも考えています。

Q 大手システム会社、大手コンサルティング会社を経て、独立したきっかけなどお聞かせください。

A 直接のきっかけは家人の介護等の問題で、勤務時間を拘束されない勤務形態を望んだからです。
また大手コンサルティング会社では、サービスが画一的になり、場合によってはコストパーフォーマンスの良いサービスが提供できない場合もあるように感じ、自分自身のスキルでクライアントによりきめ細かなサービスを提供したいという思いから独立しました。

個人だけではできない分野もありますが、そのときは、それぞれの専門分野のパートナーと共同して業務を遂行していきます。さまざまな分野の専門家と協業できるのも独立の魅力だと思います。

Q コンサルティングから会計士へキャリアを積んできた唐沢さんですが、コンサルティング業界へのキャリアアップを考えている準会員へのアドバイスがありましたらお聞かせください。

A コンサルティングを経験して思うことは、常に自分の仕事が究極的に何に貢献しているかを問う姿勢が必要なのではないかということです。自社の利益に貢献してもクライアントの利益に貢献しないとか、クライアントの利益に貢献しても社会にとって貢献しない、ということではコンサルタントとして究極的な貢献を果たしているとは言えないのではないでしょうか。
会計士の使命は公認会計士法第1条に「監査および会計の専門家として、(中略)
もって国民経済の健全な発展に寄与すること」とありますが、これはコンサルティング、監査に共通して言える事だと思います。究極の目的のため、経営者・会社のために時として間違いを正すことも求められる。コンサルティング業務に従事している中でも、監査で培った視点を持ち続けることは必要となってきます。

Q コンサルティング業務で重要な能力はどのようなものですか。

A 経営者との対話できる力です。経営者の意向の本質をいかに適切に聞き出すか・・・
クライアントが中小企業の経営者である場合は、特に経営基盤作りに協力することが多いため、対話力はとても大切です。
コンサルティング業務を引き受けた以上、経済合理性の観点から良いものは残す、悪いものは削減もしくは改善する事を経営者に進言できる能力が必要です。

Q 多様な人材を獲得する目的で試験制度が変更され、公認会計士試験に挑戦する機会が増えてきました。今後は世代の違う会計士試験合格者も誕生するかと思います。
シニア世代となってから会計士試験に合格し、監査業務に従事し思うことはありますか。

A 私も年功序列の世代を生きてきていつの間にかシニア世代となりました。年功序列の世界では年長者はえらい、社長はシニアでなければなれない、といった世の中でした。今、世代の違う方々と仕事を通じて接していて思うことは、年齢に関係なくそれぞれの専門家が活躍するその中になってきた、ということです。このような世代では、人それぞれの機能・役割を理解し、人格の違いや相手の良い点を認めながら働くことが必要なのではないでしょうか。
お互いを尊重しつつ、後輩に対して自分の経験を指南することも必要だし、逆に後輩から学ぶ姿勢も必要でしょう。監査業界で言えば、法人の枠にとらわれずシニア世代の会計士が今まで培ってきたノウハウを伝授するような構造も必要かと思います。

Q 最後にこの記事を見た若手準会員・シニア準会員へのメッセージをいただけますでしょうか。

A 私は会計士がこれからの日本の社会を支えると思います。現在の複雑化した経済社会において、日本では会計のプロフェッショナルが不足しています。若いみなさんが、そのエネルギーを存分に発揮し、将来的にはCFO、CEOといった会計、ファイナンス、経済のわかる経営のプロとして活躍し、日本経済全体に影響を及ぼして欲しいです。
あれだけの難関試験を突破してきた皆さんには、知的精神的に社会を豊かにする能力があります。
近年、監査が会計士業務のメインになっていますが会計の専門家として社会的に認知された地位であり、プロフェッショナルとしての『高貴な人の義務』を持って社会に貢献できる存在なのです。皆さんが今後キャリアを形成する上でもその意識を持ち続けながら成長することが日本の発展につながります。皆さんのご活躍を期待しております。

(文責  松永直樹)

 

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