日本公認会計士協会 準会員会

活動報告(東京)

平林亮子氏座談会 報告

去る2010年8月1日に準会員を対象とした平林亮子氏による座談会が開催され、独立会計士としてのライフスタイル、女性会計士としてのワークライフバランスや進路設計についてお話し頂きました。
今回の座談会の内容を踏まえたインタビューを以下に掲載いたします。ぜひご一読ください。

「本を出すことは難しいことではない」

Q 執筆や講演等、多岐にわたるご活躍をされている平林さんですが、最近は主にどのようなお仕事をしていらっしゃるのでしょうか。
A ベンチャー企業のコンサルが主な仕事です。会社形態のご相談や書類チェックはもちろん、会社名決定や物件探しもお手伝いします。設立したばかりの会社には、領収書も請求書もないですし、従業員をいくらで雇うかも決まっていません。監査法人勤務時代に見ていた書類ですとか、肌で感じていた相場感が非常に役立っています。

「会計士はなんでもできる!」

Q 現在、会計士業界は人員増等で激変しています。平林さんは独立された会計士として、この状況をどのように感じていらっしゃいますでしょうか。
A 試験に合格した人は監査法人へ就職するという当然の前提が崩れ、また、会計士の人数も急増しているのですね。会計士業界から少し離れてみて、私が感じるのは、試験に合格したばかりの人でも非常に高い知識レベルだということです。「普通の人に比べて簿記ができる人」というよりは、「簿記が超できる人」ですよね。法律も税法も知っていますし。一方、会計士がそういう能力を持っているということを世の中が知らない、とも感じます。これからはもっと会計士の能力や活躍できる場をアピールしていかなければいけないのでしょう。また、会計士になっただけでは十分でなく、プラスアルファが必要なのだとも思います。

「誘いにはのってみる」

Q 修了試験合格直後に起業されたということですが、起業の勇気はどこから湧いて来たのでしょうか?また、どのようにお仕事を増やされたのでしょうか。
A 実は、何ができるという自信があって起業したわけではないです。分からないことは教えてもらえばいいかな、と軽い気持ちでいました。
仕事は、訪問営業で獲得していった…わけではないです。最初は、監査法人の同期や、一緒に勉強していた人の軽い誘いに乗って、記帳代行や、企業の研修講師をしていました。ただ、軽い誘いに乗る、といっても、やるとなったら徹夜でもやります。物事はそんなに難しく動くものではないと思うんでうす。でも、動かすにはパワーも必要だと思うんですね。
今はベンチャー企業のコンサルをしているわけですが、気の合う社長さんとお仕事させていただいています。世の中、厳しいことももちろんありますが、頑張ってやっているというよりは、楽しくて、時間がたつのも忘れて仕事しているという感じですね。

「好きを続ける」

Q 女性会計士についてどのようにお考えでしょうか。
A 男性に子供を産むことはできないし、女性は専業主婦になるという選択肢を迫られたりもする。そういう意味で、男性と女性はやっぱり状況が違います。女性は「好き」を続ければいいと思うんですよね。私は主婦志望だったので、適度に家事も楽しい仕事もしたいと考え、独立しました。自由に使える時間がたくさんあるので、独立はオススメですよ。

「会計士であることにこだわらない」

Q 最後に準会員へメッセージをお願いします。
A 女性でも男性でも、結局は「どうやって生きるのよ?」っていうことだと思うんです。最初から、会計士としての知識や経験をどうやって仕事に生かすか、と視野を狭めて考えるより、まず自分がどうやって生きるのか、何がしたいのか、考えてみるべきだと思うんです。どんな仕事をしていても、会計士であるということは消えません。私のようにコンサルティングをしていても、監査法人勤務時代の経験が生かされています。また、たとえ専業主婦になる方がいても、損益計算や金利計算をしてしまいますよね、きっと。皆さんもぜひ、できるかできないかという思考から離れて、「どうやって生きたいか?」を考えてみませんか?

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