日本公認会計士協会 準会員会

(東京)


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第23回 書評コラム 「利速会計」入門 企業成長への新業績評価システム

 この本と出会ったのは、大学の図書館だった。尊敬する大学の先輩と新しい会計指標について話していた時に薦められ、本屋で探したが絶版だった。今回書評を書くにあたり読み直したが、やはり入手できず地元の図書館で借りた。書評として薦めておきながら入手困難で申し訳ない限りだが、新しい業績評価に興味がある方はぜひ読んで頂きたい。

 率直に言えばこの本を読むまでは、貨幣性資産・発生主義といった単語が並んでいる本は、学術本であって、面白さを求めてはいけないと思っていた。この本では上記の他にも会計用語が多く出てくるが、同じ単語を用いているのに既存の考え方とは異なった新しい会計の考え方を展開していることに驚く方もいるかもしれない。少なくとも私が驚いたのは、微分や積分といった数学的な考え方を既存の会計体系に取り入れようとする新しい試みだった。
 では、著者が提案する利速会計とは何なのだろうか?本文の最初にはこう書いてある。「従来の会計の利益の測定値を時間で微分したものを中心に取り扱います」私の解釈が誤っていなければ、既存の会計では一定期間の利益を算出するが、利速会計では期間利益を時間で微分し時間当たり利益獲得量を算出することになる。従って、例えば損益計算書では
1 年間の利益が 360 万円と表すのに対し、利速会計では時間で微分した 360 万円 / 年、 30 万円 / 月、ないし
1 万円 / 分と表せるようになる。
 これが表せることで何ができるかというと、例えば、設備投資や販売活動の個々の意思決定(仕訳が行われる会計事象に限られるが )
が利速を 400 万円 / 年に増やしたり、 300/ 年に減らしたりすることが認識できるようになる。

  つまり、これによって各事業活動が現在の利益獲得能力を増やすか減らすかが分かるようになる。著者の例で言えば、年利 3% の債券
100 万円を保有しているだけで、 3 万円 / 年の利益は確実であり利速は「現状維持」であるが、これを売却すれば 3 万円
/ 年の利益を逸失することになる。その利益を失ってまで何を得るのか?設備投資をするのか?そういった発想が可能になる。このような利速会計の考え方の他にも、利速で仕訳をしたり、仕訳の金額をマイナスでしたりと著者の新しい考えに驚かされるばかりだ。

 会計士試験に合格し監査法人で働き始め、学問から実務へと視点が変わりつつあった私だったが、会計学の面白さを再発見し、日々の業務においても意識したいと思う視点が増えた。著者も会計士試験合格後は監査法人で勤務し、その後米国の大学院に留学し、現在のキャリアを築かれたようだ。ぜひ
Wikipedia で著者のプロフィールを検索してみて欲しい。著者の考え方のみならず、会計士としての生き方にも驚くかも知れない。

( 文責:加藤広晃 )

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