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第8回 動きつづける会計

登録日: 2005.11.01

私事ですが、私は大学生の時は持ってるお金はあるだけ使うという生活をしていました。しかし、社会人になったからにはこのままではまずいと思い、お小遣い帳のようなものを作ることにしました。といっても、もともと全然マメでない私が大したものを作るわけはなく、要は毎月一定の日に(多いほうが気分がいいので、給料日である25日にしました)自分の持っている資産がいくらかを調べてエクセルの表に記帳していくだけのものです。さらに、資産といっても実態は財布の中身と預金口座の合計をそう呼んでいるだけです。そして、その月と前月の残高の差を増加額として、増加額を一定に、少なくともマイナスにならないように気をつけようとしました。

さて、実際にこの表をつけていくと気になることが出てきました。それはは携帯電話の料金をコンビ二で払っているのですが、25日までに払うか払わないかで資産の量が変わるのです。ですから、今月は使い過ぎたと思ったら携帯の料金を25日以降に払うことによって少しではありますが、増加額を操作することができました。そこで、私は会計士らしく(というか誰でも思いつくと思いますが)携帯料金を25日までに払っていない場合は出費を見越してその金額を資産から減額して表をつけることにしました。そうすることによって、携帯料金の出費の時期のズレが増加額に影響を与えることがなくなり、改善成功!と満足しました。

ところが、また問題が発生しました。社会人になってからカードをよく使うようになり、一時的にではありますが、現金や預金を減らさずに買い物や食事をする機会が多くなりました。そうすると、たとえば今月にデジカメ買ったり、旅行に行ったり、後輩におごったり、などしてたくさんカードをを使っても、25日に資産の残高を調べるときにはなんら減っていないのです(カードの支払は26日のため)。そして、翌月にはあまり使わなくても増加額がすごく減っているという現象が起こりました。これは変だ!ということになり携帯料金と同様、カードの26日支払い分は25日にある資産から減らして表につけることにしました。

しかし、このような事は次々と起こりました。友達にお金を貸したり、会社の経費の立替をしたり、旅行代金を友達に立替払いしておいてもらったり。その都度、同じような調整をしていった結果、最初は軽い気持ちでつけていたお小遣い帳が複雑になってきました。ひとつひとつの調整は簡単なのですが何しろ調整する数が多いので、いちいち、あれいくらだっけー、と考えるのがとても面倒くさいのです。そこで、こんな面倒くさいことをする意味はあるのかと考え直しました。そもそも私がお小遣い帳をつける目的は、お金を一円単位で管理することではなく、少しずつ貯金が増えるように管理することです。そう考えるとこんな細かい調整をする必要などなく、ざっくり動きが見れればいいじゃないかと思ってきました。それに実は、毎月いろいろ調整していると結局平準化が起こってきて全然調整しない状態に近似してくるものです。

そこで、結果的にどうしたかといいますと、今は調整項目は全部無視して26日の預金口座の金額だけ記帳しています。すごくシンプルで楽ですし、これで十分目的は達成さています(笑)。

なぜこんな話を読んでいただいたかと言いますと、誤解を恐れずに言えば、上の話と会計の歩んできた道とがちょっと似ていると感じたからです。

会計の歴史も、最初は現金主義会計(現金の収支を基礎として記帳)だったのが、近代になって経済的実態を反映するために発生主義会計(会計事実の発生を基礎として記帳)に変わっていったのですが、最近また複雑な調整を多数いれる発生主義会計の損益計算書とは別に、単に現金の収支を表す情報の有用性が評価されて、2000年3月決算から(連結)キャッシュフロー計算書の作成が企業に義務付けられるようになりました。なにか共通点があると思いませんか?

さて、こんな他愛もないことを考えているとつくづく会計は生きているなと感じます。私のお小遣い帳でさえ次々にルールが変わるくらいですから、時代のニーズの変化、会計理論の発達、グローバルレベルでの会計基準のコンバージェンスの必要性の高まり、など様々な要素に囲まれる会計の動きは非常に早く、ダイナミックであることは言うまでもありません。連結会計が導入されたり、キャッシュフロー計算書の作成が義務付けられたり、最近で言えば減損会計が適用されたり、企業結合会計が整備されたり、というように日々刻々と変化していきます。

私たち会計士はそのような生きているものを扱う職業を業としています。生きているものの最新の情報を知らずして診断は出来ません。私たちの職業は最新の情報を常に捉え自分のものにしていかなくては価値のあるサービスを提供できない職業です。

以前にどなたかが、会計士は経済のドクターだと言っていました。そのような格好のいいフレーズで呼ばれるには私はまだまだ勉強が足りない。知識の更新、実務経験の蓄積に励み、いつかそのようなフレーズで呼ばれるにふさわしい会計士になりたいものです。

(文責:合場 真人)

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